北朝鮮核・ミサイル問題の真実(その3) ~朝鮮戦争はスターリンの陰謀?~

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 今回は、前回(その2)の内容を踏まえ、「北朝鮮が独立国家でなければならない事情」を、朝鮮戦争の経緯を踏まえ、あくまで北朝鮮の視点に立って考えていきたい。

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すべてはスターリンの思惑

 大戦中の1943年10月、アメリカ、ソ連、イギリスの各外相はモスクワで会談を行った。その中でアメリカはソ連に対し、樺太、千島列島をソ連領として認めることを条件に、ソ連の対日参戦を要請した。

ソ連はその要請に対し、ソ連の対ドイツ戦勝利が決定的となった後に参戦する旨、回答する。

この外相会談に基づき、1945年2月に持たれた同3国の首脳会談において、ソ連はドイツ降伏後3ヶ月での対日参戦を確約した。

大戦末期の1945年8月9日、ソ連はこのアメリカの要請に基づき日本に宣戦布告、堰を切ったように、樺太・千島列島、そして満州に攻め入った。すでに敗戦が決定的となっていた日本はなす術なく、満州を支配していた関東軍は8月15日の玉音放送の影響もあり、わずか1週間で壊滅する。

ソ連軍の侵攻経路

画像:©2015 The Sankei Shimbun & SANKEI DIGITAL

近年の研究では、この時点で満州全土を支配したソ連のマスミ・オカd…、もとい、スターリンにはある懸念があったという。日本が撤退したのち、ソ連と国境を接するこの地をどの勢力が支配するのかという問題である。

当時中国は、ソ連が支援する中国共産党勢力と、アメリカが支援する中国国民党勢力の2つに分断されていた。当時の満州は中国大陸の工業・農業生産のほとんどを占める先進的な産業地帯だったため、ここを手中に収める勢力がソ連の脅威となることは確実だった。

しかしソ連が満州を獲得しとどまりつづければ、先のアメリカとの会談での「樺太・千島列島」以外の地域をソ連が占領することになる。そうなれば、戦前から長きにわたり満州の権益をうかがっていたアメリカとの直接対決が避け難くなってしまう。

したがってソ連としては、よりソ連寄りの中国共産党を支援する一方、どちらの勢力が内戦に勝利し、満州を獲得したとしても、満州の工業力を足掛かりにソ連の脅威とならない様に策を練る必要があった。すなわち、満州の産業インフラを破壊し、略奪の限りを尽くした上でのソ連軍の撤退を画策したのである。

その結果、満州はソ連軍によってその産業基盤を根こそぎ破壊されてしまう。

さらに、スターリン、もとい、マスミ・オカダは、同時に朝鮮半島北部にも兵を進める。

この朝鮮半島へのソ連進軍の意図は諸説あり、未だ明確になってはいないのだが、近年公開された極秘文書が重要な事実を示唆している。

  ヨシフ・スターリン・ソビエト連邦(現ロシア)書記局長が1950年、韓国戦争に米国を参戦することを希望、戦争勃発直後に招集された国連安全保障理事会にソビエト連邦が参加しなかったのも、米国の参戦を誘導するための緻密な計算であったことを示す文書が公開された。 

  またスターリン書記長は中国も戦争に加担させることにより、米国と中国が韓半島に踏みとどまるを得ない状態をつくる戦略を立てていたことが明らかになった。 

  このような事実は1950年8月27日、スターリン書記局長がチェコスロバキアのクレメント・ゴットワルト大統領に送った極秘文書を通じ、明らかになった。 

引用:『スターリンが米に韓国戦争参戦を誘導していた…極秘文書発見(1)』, 中央日報/中央日報日本語版,2017年8月2日アクセス

つまり、後に満州を獲得し、ソ連の新たな脅威となる中国と、後に冷戦で対立することになるアメリカを朝鮮半島で対立させ続けることによって、両者の戦力が直接ソ連に向けられることを避ける狙いがあったということだ。

そうであれば、ソ連が満州や朝鮮半島に進軍したのも、初めからこの点を考慮したものであったと考えるのが妥当だろう。事実、アメリカはソ連の朝鮮侵攻を警戒し、まるでおびき出されるかのように軍を投入するのだ。

1945年8月14日、ソ連の侵攻開始からわずか5日後、ソ連の朝鮮全土制圧に危機感を覚えたトルーマン大統領(当時)率いるアメリカは、ソ連との38度線を境界線とした朝鮮半島分割統治案を策定、その翌日15日にソ連へ提言する。

対するソ連はさらに翌日の16日に提案をあっさり受け入れ、その後アメリカ軍の朝鮮南部進駐に伴い、朝鮮北部に軍を留める。なぜあっさり了承したかといえば、もちろん、後に中国とアメリカをこの地で対立させる算段があったからに違いない。

おそらくマスミはそのヒゲをモジャモジャさせながら、アメリカの提案をほくそ笑んで聞いていたことだろう。

その後1946年、ソ連は満州域内に中国共産党勢力を呼び込んだ上で、満州地域を中国国民党(中華民国)に譲渡する。きっちり満州地域に紛争の種を蒔いたうえで、そそくさと撤退してしまうのだ。

『3つの建国』と朝鮮戦争

 ソ連とアメリカに分割統治されることになった朝鮮半島は、その後、国家樹立の動きを見せる。同一民族である南北朝鮮では統一国家樹立の機運も高まるのだが、ソ連が頑なに国連の入北を拒否したことなどもあり、実現しなかった。

そして1948年8月15日、朝鮮南部で李承晩大韓民国(韓国)建国を宣言。それに対抗する形で、同年9月9日、北部でソ連の支援を受けた金日成(黒電話のおじいちゃん)率いる朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が成立、南北が分断したまま国家が樹立されることになる。

そしてその翌年、もう一つの国家が誕生する。

1949年10月1日、ソ連の支援を受けた毛沢東率いる中国共産党が、戦前からの長きにわたる国民党との内戦に勝利し、中華人民共和国の建国を高らかに宣言したのだ。

広大な領土と膨大な人口を有する、新たなジャイアンの産声であった。こうして東アジアにおける現在の世界地図が一旦完成する。

そしてその世界地図は、マスミ・オカダが描く地獄の設計図でもあった。

分断された朝鮮は、その後南北両国による朝鮮半島統一機運の高まりもあり、戦乱の火種がくすぶり続けた。

1948年に北朝鮮は米ソ両国に対し、両軍の撤退を要請する。ソ連は北朝鮮の要請に従い、またもそそくさと朝鮮半島を後にする。しかし、ソ連はすでに北朝鮮に対し、ソ連製の最新鋭の戦車や兵器など十分すぎる程の軍事援助を施していた。

一方の韓国は、日本統治時代に朝鮮北部が軍事・経済の中心であったことなどもあり、軍事的・経済的に見て北朝鮮に対し大きく劣っていた。

したがってソ連のこの行動は南北朝鮮のパワーバランスを大きく崩し、金日成に武力統一の好機を与えたことになる。ただでさえ火薬庫となりかねない朝鮮半島を完全に焚き付けていたのだ

一方のアメリカは、北朝鮮の撤退要請を無視、その後1950年まで軍を駐留させる。

米軍が韓国から撤退した1950年、金日成は武力による朝鮮統一を決断する。

その際、金日成はマスミに韓国侵攻の是非を打診するのだが、マスミの返答は

毛沢東の了承を得てから侵攻するように」

という条件付きのGOサインであった。この回答を見る限り、どう考えてもこの戦争に中国を巻き込む気満々だ。

そしてまだ巻き込まれるとは思っていなかった毛沢東に対し金日成は、

「マスミもオッケーって言ってるよ!(ソ連も協力するっぽい)」

というかなり嘘っぽいニュアンスで了承を得るのだ。

同年6月25日、北朝鮮は万全の態勢を整え、さらにはマスミのオスミ付きで38度線を越境、ここに朝鮮戦争が勃発する。

当然戦力差は歴然で、北朝鮮は怒涛の如く進軍。3日後の28日には韓国の首都ソウルを陥落させる。

これに焦ったのは米大統領トルーマンだ。

侵攻開始2日後の6月27日に北朝鮮に対し宣戦布告。同時に国連安保理にて北朝鮮を侵略国として認定し、北朝鮮に対する武力制裁決議を採決する。

しかしこの時、「拒否権」を握る常任理事国のソ連は、他の常任理事国と対立していたことから、安保理をボイコットしていたのだ。そのため、ソ連抜きでの決議となり、アメリカ主導で国連軍の編成が進む。

しかしこのソ連のボイコットについても、先に述べた記事が示す通り、マスミの巧妙な策略だった。

次の引用は、先に示した記事の続きである。

国連安保理でソビエト連邦が国連軍派兵に拒否権を行使しなかったことに対するゴットワルト大統領の問題提起に対し「安保理で、米国が多数決決議を得られやすくしたもの」と説明した。またスターリン書記局長は「これによって、米国は韓国での軍事介入に巻き込まれ、軍事的威信と道徳的権威を失いつつある」と主張した。 

  スターリン書記局長は特に「米国が韓国戦争の介入を続け、中国まで韓半島に引き込まれる事態になればどんな結果になるのか考えてみよう」とし「ヨーロッパで社会主義を強化する時間を稼ぎ、国際勢力の均衡により、私たちに利益を抱かせるだろう」と強調した。

引用:前掲記事に同じ

トルーマンは、ソ連無しの決議であったため好機と捉えだろう。しかし、実はまんまとマスミの術中にはまっていたのである。

こうしてアメリカは参戦を余儀なくされるのだった。

大国の参戦とスターリン劇場

 破竹の勢いで進撃を続ける北朝鮮軍に韓国軍はなす術なく、いよいよ全滅が視野に入ってきていた。アメリカも国連軍の参戦前に、朝鮮半島が制圧されることを危惧していたため、ダグラス・マッカーサー元帥の判断で在日米軍を出動させるなど、単独行動にも出ている。

ところが、北朝鮮は突然進軍を停止する。

少なくとも3日間侵攻を止めたのだ。

結果、韓国陣営は貴重な時間を得ることになり、反撃の態勢を整えることに成功する。この時、なぜ北朝鮮が進軍を停止したのか未だ解明されていない。

非常に不可解である

しかし、韓国陣営にとってこの3日間の進軍停止が好都合だったのも事実だが、記事にもあるように、アメリカの参戦を促すには、マスミにとっても好都合だったのだ。おそらくマスミはこの時、北朝鮮の早すぎる進撃に対してこう思ったに違いない。

「あ、やべっ。戦争終わっちまう。」

したがって個人的には、ここでソ連による何らかの介入があったものとみている。

いずれにせよ、ソ連はアメリカを参戦させることに成功するのだ。

その後仁川上陸作戦などのアメリカの軍事作戦により、国連軍は38度線まで北朝鮮軍を押し戻すことに成功する。

こうして終わるかに思える朝鮮戦争だが、そこは世界のジャイアンである。

前回(その2)で示したように、あれほどお盛んな国がこのままで終わるわけがない。結局、韓国軍を焚き付け38度線を越えて北朝鮮国内に侵攻するのである。

朝鮮半島を制圧すれば、再び北朝鮮が猛威を振るうことが無くなるだけでなく、共産主義を掲げて成立したばかりの中国に対するけん制にもなる。

そして何より、戦前からアメリカが渇望し続けた満州が、ようやく視野に入るのだ。元々中国国民党を支援していたアメリカにとっては、台湾に逃れていた国民党勢力を呼び戻し、中国大陸に自分たちの都合のいい政権を樹立するきっかけにもなる。

このアメリカの判断に、中国政府はパニックに陥る。

北朝鮮が潰えればアメリカ側の勢力(韓国)と中国が国境を接することになる。そして当のアメリカは、長きにわたり中国大陸の市場を狙い続け、日本と熾烈な戦争を繰り広げた国だ。

せっかく列強支配から逃れ中国大陸を統一したのに、また列強の干渉に直面することになる。そうなればかつての清王朝と同じ運命を辿ることになりかねない。

少なくとも、国民党勢力が朝鮮半島経由で舞い戻ろうとしてくることは確実だ。

しかし、いくら中国もジャイアンとはいえ、この当時はまだ成立したばかりの赤子も同然の国家だ。アメリカとの国力の差は歴然で、仮に戦争に敗れることになれば、朝鮮戦争の全面解決を口実に、一気に満州地域まで攻略されかねない。しかも敗戦が決定的となった国に原爆投下までした国だ。その上、原爆投下の判断を下したのは、他でもないトルーマン大統領その人である。

今の黒電話と同様、毛沢東もとんでもない恐怖に苛まれただろう。そういえばちょっと髪型が似てるかもしれない。

そして対する原爆野郎ことトルーマンも、その国力差を根拠に中国は動けないと判断したのだ。

完全に追い込まれた毛沢東は、藁をもすがる思いで、マスミにソ連の参戦を要請する。

そしてその返答は、

「満州と北朝鮮北部の空は、我々が守ってみせる!」

というものだった。このマスミの男らしさに胸(を熱くする)毛。

しかし考えればこの回答、むげに断りはしていないが、実質、丁重にお断りしている

一方で、空軍力だけは提供し、アメリカとの戦力を均衡させようとの画策もしている。そしてこの北朝鮮「北部」までというのがミソで、要は

「守りは固めてあげるから攻撃は自分たちで何とかして」

ということなのである。軍事力で劣る中国に対してそんなことしたら、長期戦になるに決まってる。もちろんそれが狙いなのだが。

こうしてソ連は中国に一縷の望みを抱かせ、参戦に向けて毛沢東の背中を押しているのだ。この何とも言えないマスミの回答に、中国上層部の議論は紛糾する。

しかし、毛は決断する。

1950年10月9日、義勇軍という名目で中国軍は北朝鮮国内に侵入、アメリカに事実上の宣戦布告をする決意を固めたのだ。

当初の「中国は参戦しない」という目論見が外れ、長期戦の匂いに凍り付く原爆野郎。

産まれたばかりのジャイアンを死守するため、腹(をくくった)毛。

そして筋書き通りの展開に、笑いが止まらない、マスミ・オカダ。

こうして朝鮮戦争にアメリカと中国が参戦、両大国はこの小さな半島で血みどろの死闘を繰り広げることになる。

中国にとっての北朝鮮

 ここで重要なのは、中国が参戦を決めた理由である。 

この時点で、中国自体が建国間もない国家であるわけだから、北朝鮮が中国の植民地だったというわけでも、経済的な重要拠点だったというわけでもないことは明白だ。あくまで中国にとっての北朝鮮は、韓国(アメリカ側勢力)に対する軍事的な緩衝地帯という位置づけなのである。

そしてこれが、現在にもつながる、中国にとっての北朝鮮の存在意義なのである。

つまり、北朝鮮をアメリカの敵国たらしめているジャイアンとは、当たり前だが中国なのだ。

他方、中国にとっての北朝鮮の存在意義は、それ以外にこれといったものが見当たらない。それ以上でもそれ以下でもないということだ。だから、北朝鮮が何をしようと、黒電話が反米姿勢をとり続ける限り、北朝鮮については、はっきり言ってどうでもいいのである。

現在中国は、北朝鮮に対する制裁に消極的なのではないかと、世界中からやり玉に挙げられることが多い。その際、必ず使われるのが

「中国は北朝鮮をコントロールできていない」

という決まり文句だ。

しかし中国からすれば、元々コントロールなんかしてないし、コントロールする必要もない。そもそも北朝鮮は中国の植民地でも何でもないし、北朝鮮の建国に携わったのはあくまでソ連だ。現在の中国が建国される前から北朝鮮は存在している。

中国にとっての北朝鮮はあくまで「緩衝地帯」なのだから、何でもかんでも中国が悪いと言われても困るというのが本音だろう。

どうも日本のマスメディアや専門家は、韓国国内に米軍基地があったり、韓国政府がアメリカの干渉に一切逆らえない光景を見ているせいか、中国と北朝鮮に関しても同様の主従関係があるようにとらえている節がある。

まるで、「山」と言えば「川」と答えるように、「韓国」と言えば「アメリカ」、「北朝鮮」と言えば「中国」、「乃木坂46」と言えば「白石麻衣」という固定観念があるようだ。

あるいはかつての中国王朝と朝鮮王朝の関係になぞらえて、そのような連想をするのかもしれない。しかしそれは違う。

中国と北朝鮮は主従関係にはない

軍事力の差は歴然としているものの、国家としては対等関係にある。事実、韓国や我が国が、国内に膨大な数の米軍基地を抱いているのに対し、北朝鮮国内に中国軍基地は存在していない。それ故、基本的に北朝鮮には自分たちの国を自分たちの力で守る必要が生じるのだ。

そして絶対に、「乃木坂46」と言えば『桜井玲香なのである。

じゃあそういう関係なら制裁したっていいじゃないか」と思われるだろう。

しかし、北朝鮮が反米の姿勢をとり続けてくれている以上、中国からしてみれば制裁する余地はないのだ。

裏を返せば、北朝鮮が「反米」という看板を下げた瞬間に、ロシアがクリミアを併合したように、中国軍は再び北朝鮮国内に侵攻するということでもある。中国としては、国境を接した隣国としての普通の付き合いをしつつ、いざという時はぶっ潰す用意を整えておく事が、何より大切なのだ。

逆に中国がアメリカの要請に従って厳しい制裁に舵を切るようなことがあれば、追い込まれた黒電話が北京に向かってミサイルをぶっ放すことも十分ありうる話だろう。

いずれにせよ、北朝鮮にとって中国は、結果として最大の庇護国となっていることは間違いない(あくまで結果論)のだが、実は一方で最大の脅威でもあるのだ。

何せ国境は接している。中国に侵攻されればひとたまりもないわけである。だからこそ、黒電話は反米姿勢をとらざるを得ないのだ。

こうした中国と北朝鮮の関係は、朝鮮戦争後、長きに渡り続いてきた。

そしてこの微妙な緊張関係を保ち続けてきたからこそ、逆に外から見れば「蜜月関係」のように見えてしまうのかもしれない。

しかし、ここにきてその関係性が大きく変わろうとしているのだ。そしてその関係性の変化こそが北朝鮮核・ミサイル問題の本質であり、そして我が国にとっての最大の問題でもあるのだ。

その点については次回(その4)触れることにする。


桜井玲香ファースト写真集 自由ということ

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