北朝鮮核・ミサイル問題の真実(その4)~金正恩VS米中連合?~

<<その1まで戻る  <前へ  記事一覧

 前回(その3)で述べたように、中国と北朝鮮の関係性だけとってみても若干複雑なのだが、そこにアメリカを加えた三者の思惑が絡んでくるのが現在の北朝鮮問題だ。

したがって、黒電話ヘアーの頭がおかしくなって(髪型は確実におかしい)、核とミサイルというR-18なんていうレベルではない大人のおもちゃで遊んでいるだけというわけではない。

そして北朝鮮も中国もアメリカも、みな合理的に判断し行動するということを肝に銘じておかなければならない。

そうでなければ、今何が起きていて、これから何が起ころうとしているのか、日本はそれにどう対処すべきなのかといった判断を誤ることになる。

では、これから何が起ころうとしているのだろうか。

スポンサーリンク

核のチキンレース

 そもそも、なぜ核やミサイルを持とうとするのだろうか。

もちろん、戦争をするためではない。

だいぶ人口に膾炙されてはいると思うが、核とミサイルのセットはあくまで自国を防衛する手段として用いられる。

すなわち、「核抑止力」という考え方だ。

「核抑止力」とは、凶悪な破壊力の核兵器を持つことによって、敵国に攻撃をさせないための手段である。

つまり、敵国が自国を核で攻撃するのなら、たとえ自国がその攻撃で焦土と化したとしても「確実に核兵器で報復しますよ」という体制を敷き、相手国に相応のリスクを負わせることによって、敵国にそもそも攻撃をさせないという考え方である。

そしてこの「確実に核兵器で報復しますよ」というのを「相互確証破壊」と呼ぶ。相互確証破壊が現実のものとなった時には、両国とも焦土と化していることになる。

したがってこの相互確証破壊は、先制攻撃をする側にしても報復する側にしても自殺行為となるだけであるため、実現することはないという理屈である。

この考え方が現実的なのかどうかは別として、合理的な考え方であることは間違いない(合理的だから正しいというつもりはない)。

しかし裏を返すと、核兵器を持たない国が核保有国と対峙した場合、核保有国に対して相応のリスクを負わせることができないため、核を持たない側が一方的に攻撃されるリスクを負ってしまうことを意味する。つまり現在の北朝鮮は、アメリカという通り魔にターゲットにされた場合、それを防ぐ手段がない。

したがってアメリカと敵対する北朝鮮としては、核ミサイルの保有を急ぐ必要があるのだ。

そう考えれば、狂っているように見える黒電話の行動は、北朝鮮を守る手段としては合理的ということになる。

ちなみに、日本の自衛隊のように、迎撃ミサイルによる防衛構想もある。そのため、単純に核ミサイル攻撃に対抗する手段が核抑止力のみというわけでもない。

しかし、弾道ミサイル(ロケットと同じ原理で飛ぶミサイル)のうち、単純な放物線を描かずに変則的な軌道(ロフテッド軌道)で落下するミサイルが存在する。現状、そうしたミサイルが撃ち込まれた場合には、速度や角度の問題により落下の予測が困難ということもあり、迎撃は不可能だ。

そしてすでに北朝鮮はそうした弾道ミサイル技術を確立しているとみられており、北朝鮮のミサイルを自衛隊が迎撃することはもうできない。

そもそも、迎撃ミサイルとて百発百中ではないため、核ミサイルが大量に撃ち込まれた場合には、核抑止力を持たない以上すべて無意味になる。何せ搭載されるであろう弾頭は核爆弾だ。1発でも迎撃に失敗すれば、それだけで死活問題となる。

したがって日本単独での防衛体制は、現状非合理的ということになる。

それでは、対するアメリカはどう出るだろう。 

北朝鮮が核抑止力の保有に至った場合、アメリカは二度と北朝鮮を潰すことができなくなる。その先には、北朝鮮の核保有に危機感を抱く日本と韓国が、一気に核保有に突っ走るというシナリオが待ち受けている。

そうなれば、在日・在韓米軍基地の存在意義が大きく損なわれ、極東からの完全撤退を余儀なくされる可能性が高い。結果、アメリカは、のちに触れるある国家に対するけん制力を失うことにつながるのだ。

したがってアメリカとしては北朝鮮の核抑止力保有を阻止する必要がある。

そう考えれば、現在のトランプ政権が行っているような経済制裁や威嚇は、結果が伴っていないとはいえ方向性は合理的ということになる。

しかし、結果が伴わなければ意味がない。

現在北朝鮮はアメリカ本土までの射程を有するミサイル技術を確立したとみられている。しかし、アメリカに対する完全な核抑止力を持つには、そのアメリカ本土まで到達する弾道ミサイルに、小型化された核弾頭(弾頭:ミサイルの先端にある爆弾部分)を搭載する必要がある。

その技術をまだ北朝鮮は手にしていないと考えられているため、現状では本当の意味での核抑止力を北朝鮮は持っていないことになる。つまり、アメリカとしては北朝鮮がそうした技術を確立させる前に、確実に北朝鮮を潰す必要があるのだ。

しかし、ここで厄介な問題が生じる。

朝鮮戦争時から朝鮮半島をめぐって対立関係にある中国の存在である。

変化する中国

 中国としては、北朝鮮はあくまで緩衝地帯であるから、北朝鮮が国家として潰え、韓国に併合されることは絶対に望んでいない。そのような事態になれば、確実に軍を動かすだろう。

そして中国は現在核抑止力を持つ核保有国である。おまけに国連安保理では拒否権を持つ常任理事国だ。いくらアメリカとて現在の中国を相手に戦争をおっぱじめることは、先の相互確証破壊の考え方などからすれば、ほとんど不可能ということになる。

そうなると、アメリカが北朝鮮を国ごと潰すことはできない、もしくは得策ではないといえる。したがってアメリカにはこの中国というハードルを越える必要がある。

ではどうするか。

中国が必要としているのはあくまで朝鮮半島北部の緩衝地帯である。

したがって北朝鮮を潰さなくても、中国が同意したうえで、現在の金正恩政権のみを崩壊させるという手段が選択肢として出てくる。

つまり、中国に北朝鮮の核武装をやめさせることを条件として、北朝鮮を中国の属国にさせるという方法である。その3でも述べた通り、現在北朝鮮は中国の属国でも植民地でもない。あくまで微妙な緊張関係を保ち続けてきた、ただの隣国同士である。

そのため、現在は北朝鮮国内に中国軍基地や中国政府の関連施設などは存在していないのだが、そこに現在のアメリカと韓国のような主従関係をもたせ、事実上中国のものとしてしまうのだ。

そうすれば、アメリカは北朝鮮の核抑止力を奪うという目的を達成でき、一方で中国も緩衝地帯を確保できる。両者の思惑はそこで一致する。

そしてこれは中国にとっても合理的な判断ということになる。

しかも、軍事的側面だけでなく、経済的な意味もあるのだ。

 2015年上半期における中国東北三省のGDP成長率は「吉林省6.1%」、「黒竜江省5.1%」、「遼寧省2.6%」と全国ランキングからいくとそれぞれ最後から1番目、2番目、3番目という、非常に不名誉なものだった。全国平均7%をひとり引き下げているのは東北三省であると中国人は嘆いている。
(中略)
 東北部の経済発展が改革開放に見合って伸びていかないのは、ひとえに岩盤のように立ちはだかっている北朝鮮が鎖国しているからだと、中国庶民の北朝鮮への恨みは大きい。
 もし北朝鮮が改革開放を推進して、南の「深圳」のような役割を果たしてくれれば、東北経済は日中韓貿易の拠点になり、東北地方は一気に大きな経済成長を遂げるだろうと、中国の多くのメディアが北朝鮮への不満をぶちまけている。

引用:『中国東北部の経済発展を阻む北朝鮮――中国の本音』,Newsweek日本語版,2017年8月6日アクセス

要するに、北朝鮮が邪魔になってきちゃったのだ。

凄まじい発展を遂げてきた中国経済だが、近年その成長率は鈍化傾向にある。そんな中、中国東北部が足を引っ張っているとやり玉に挙げられることが多い。そしてその原因を北朝鮮に求める声が中国国内で高まっているのだ。

おまけに北朝鮮国内には多くの鉱物資源も確認されており、そうした権益を目当てに北朝鮮を完全な属国としてしまおうと考える中国共産党幹部が存在していても、全く不思議はない。

しかし、露骨な軍事作戦によってそのような行動に出るのは、滅亡の危機に直面した金正恩政権がミサイルをぶっ放す可能性もあり、首都北京が射程圏内にある中国としては得策ではない。

したがって、その2チリ・クーデターの事例のような、北朝鮮軍を米中の味方につけた上での「政権転覆」による国家乗っ取りが可能性として最も高いということになる。

対する北朝鮮としては、それまで最大の庇護国であった中国に、敵対国としての動機が生まれてしまったということになる。そうなると、中国は北朝鮮にとってアメリカ以上の仮想敵国に変貌したに等しい。

つまり中国に対しても核抑止力保有の動機が生まれてしまったということなのだ。

こうした中国の下心とアメリカの算段を察知したかのように、黒電話はある行動を起こした。

腹を決めた北朝鮮

 2013年12月12日、朝鮮中央通信(北朝鮮メディア)は、金正恩の叔父で元工房委員会副委員長の張成沢(チャンソンテク)氏の死刑執行を報じた。役職の解任と死刑判決が下された当日に死刑を執行するという、超電撃的な処刑であった。

なぜこのような電撃的な死刑執行になったかといえば、この張成沢という人物が、それまで北朝鮮の実質的なNo.2と呼ばれるほどの権力者であったからだと考えられる。

それほどの権力者であれば、役職の解任、もしくは死刑判決が下された時点で何らかの行動を起こし、逆にクーデターで黒電話自身が失脚されかねない。だから電撃的に抹殺する必要があったということだろう。

つまり、黒電話自身がそれほどの危険を冒してまで、どうしてもこの人物を葬らなければならない事情があったということであり、北朝鮮においてはそれほど大きな政変であったということが読み取れる。

そしてこの事件に対するアメリカの反応が次の記事である。

北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑されたことを受けて、アメリカのケリー国務長官は、金正恩政権に核兵器を持たせるべきではないと改めて非核化の必要性を強調しました。

 ケリー米国務長官:「中国、ロシア、日本、韓国など我々全員が歩調を合わせて、北朝鮮の非核化を可能な限り緊急の課題として進めていくべきだ」
 ケリー長官は、ABCテレビとのインタビューで張氏の処刑について「金第1書記がいかに冷酷で恐ろしい独裁政治を行っているか、また、政権の不安定さが分かる」と指摘しました。また、このような北朝鮮の国内情勢のなか、「金第1書記の手に核兵器を持たせることはますます容認できなくなっている」と危機感をあらわにしています。

引用:張氏処刑で米国務長官「核兵器持たせるべきでない」,テレ朝ニュース©ABC THIS WEEK,2017年8月6日アクセス

何の変哲もないニュースに思えるかもしれないが、よくよく考えると奇妙な内容である。

なぜ「張成沢の処刑」が核兵器の話に直結するのだろうか。冷静に考えればそれとこれとはさほど関係がないようにも思えるのだが、アメリカはそうは捉えていないということである。

まるで張成沢が(アメリカにとって)危険人物ではないという確信があったかのような言いぶりだ。

このインタビューでは、「金正恩政権が不安定で冷酷な政権だから~」と言いたいのだろう。

それなら「北朝鮮が安定した温かみのある政権であれば、核保有を容認する余地もあった」ということになってしまう。当たり前だが、そんな馬鹿な話あるわけがない。こんなのただの屁理屈である。

要はこの発言、

(張成沢の死に絡めて)「お前らの核開発は絶対に許さないぞ」

というメッセージは発信したいが、

『何故この件に絡めてなのか』

については濁したいため、テキトーな理屈をつけたというだけに過ぎない。

そして一方の中国は、次のような反応を示している。

中国指導部は、北朝鮮が親中派とされる張成沢(チャン・ソンテク)元国防委員会副委員長のことについて中国側と何の相談もなく即時処刑したことを、「中国に対する無視であり挑戦」と受け止めているという。
(中略)
中国のある高官は、「青二才の金第1書記が中国と何の相談もなく一方的に親中派の張氏を粛清した」として不快感を示したと、最近外交ラインを通じて中国側と接触した韓国政府当局者が20日、伝えた。

引用:『中国高官「張成沢処刑は中国を無視する行為」』,東亜日報©dongA.com,2017年8月6日

要は「おい黒電話、絶対に許さないアルよ!」ということだ。

そしてこの二つの記事から推測できることは、この張成沢という人物が、親中派であり、かつ北朝鮮の核開発放棄のキーマンであったということだ。

したがってこの時点ですでに、張成沢を通じた北朝鮮の政権転覆に向け、アメリカと中国が動いていた可能性があるということを示唆している。

そして当の黒電話は、不穏なジャイアンたちの動きに対し、舌を出しながら思いっきりダブル・〇ァックのポーズを決めて、

「独立国家北朝鮮」(マンセーーー!!!)

を堅持する覚悟を決めたということだろう。

そしてこうした事態に直面しているからこそ、核開発とミサイル開発を急ぐのである。

『切り札』の抹殺

 さらに、黒電話は先手を打つことに成功する。

2017年2月13日、金正日の息子で黒電話の異母兄でもある金正男を、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺したのだ。なぜ暗殺する必要があったのかと言えば、建国の父、金日成の血を引く金正男が、米中の政権転覆後の北朝鮮のトップになる可能性があったからだろう。

逆に言えば米中にとって、政権転覆成功後に北朝鮮の頭を挿げ替えるための「切り札」が金正男であったということだ。

この切り札を潰すことにより、米中の政権転覆後の下準備を思いっきり邪魔したことになる。

そして注目すべきなのが、その後の米中の動きだ。

 マレーシアで殺害された金正男(キム・ジョンナム)氏の息子・ハンソル氏を名乗る男性がビデオメッセージを公開し、「父親が殺害された」などと話しました。
(中略)
団体は「正男氏の家族からの要請で面会し、安全な場所へ移動させた。これが最初で最後の声明で、家族の居場所については公開しない」と説明しています。また、今回、正男氏の家族に対する緊急人道支援に協力してくれたとして、オランダ、中国アメリカと匿名のもう1カ国の合わせて4カ国に対して感謝を表明しています。

いきなりオランダが出てきたが、これはたまたま当時の駐韓オランダ大使が、かつてマレーシアの大使も経験していたことで人脈があったため、白羽の矢が立ったのではないかと思われる(よくわかんないけど)。

そして問題の中国とアメリカだが、ここで明確に共同歩調をとっていることがわかる。

なぜ米中がハンソルを守るのかといえば、金正男と同様、金日成の血を引く、いわば「最後の切り札」であるからということは明白だ。そして何故アメリカと中国がこうして同じ行動を起こしたのかといえば、もちろん北朝鮮問題において本当は対立していないからだろう。

こうして米中は切り札を失ったものの、最後の最後は踏みとどまった形になったのだ。

いずれにせよ、黒電話は一気に主要人物2人を殺害することによって形勢を逆転しつつあるということになる。そして核・ミサイル開発のための貴重な時間を稼ぐことに成功したのだ。

ちなみに、

「アメリカと中国は対立関係にはない」

というつもりは一切ない。むしろ中国の台頭により対立関係は激化しているだろう。

しかし、お互いに大国であり、かつ核保有国であるということなどもあり、折り合いをつける部分は折り合いをつけ、利害が一致すれば共同歩調もとるということは十分ありうるのだ。

 アメリカの強硬手段

 北朝鮮の策略により追い込まれた米中は、ここで足並みが乱れる可能性がある。両者の立場が微妙に異なるためだ。

中国としては北朝鮮を属国化したいという下心はあるものの、優先順位が高いのは北朝鮮を緩衝地帯として扱うことだ。もし国家乗っ取りに失敗したとしても、最悪、それはそれで構わないと考えている可能性が高い。

一方のアメリカは、とにかくさっさと金正恩政権を潰したいと考えている。

政権転覆の余地がなくなりつつある現在、このような立場の違いが影響し、中国の意向を無視してアメリカが強硬手段に出たとしても全く不思議はない。

北朝鮮のミサイルの射程圏内にある日本、中国、韓国には極めてリスクの高い選択肢だが、本国が最も遠い場所にあるアメリカは、難を逃れる可能性すらある。

そうした状況下でアメリカが打って出る手段は、その2で述べたトンキン湾事件と同様のパターンによる軍事力の行使だろう。

現在、日本に提供される北朝鮮の弾道ミサイル発射情報は、すべてアメリカの「早期警戒衛星」と呼ばれる軍事衛星からもたらされている。実用性が疑問視されている日本の「Jアラート」なるシステムも、このアメリカの軍事衛星に依存している。

したがって北朝鮮がミサイルを発射したかどうかの判断は、アメリカ政府に委ねられているといっても過言ではない。

例えば、北朝鮮が何ら軍事的行動を起こしていなくとも、軍事衛星が「誤作動(笑)」を起こし、「北朝鮮からアメリカ本土へ向けミサイルが発射された」という情報が世界中を駆け巡ったとしたら、それだけでアメリカに北朝鮮攻撃の大義名分が生まれることになる。当たり前だが、北朝鮮がアメリカを本当に攻撃すれば、アメリカの報復によって国家が滅亡してしまう。

したがって合理的に考えれば、北朝鮮から先に手を出すなどということは絶対にあり得ない話だ。

しかし、アメリカのシナリオ上はありうる話なのだ。そして仮に真実が発覚したとしても、毎度の如くあとの祭りになるだけである。

こうしたアメリカの腹の内を探ったかのように、いま中国は北朝鮮の制裁に対し消極的な姿勢を貫いている。露骨にアメリカと共同歩調をとり、あまり強気に出てしまうと、有事の際、北朝鮮のミサイルの標的にされる恐れがあるからだ。

中国が動き出すのはあくまでアメリカが強硬手段に打って出た後である。金正恩政権が崩壊し、北朝鮮支配という漁夫の利を得ることを狙っている。

もちろん金正恩政権を潰したいだけのアメリカもそれで構わないと考えるだろう。

逆にもしアメリカが強硬手段に出なかったとしても、これまで通り、緩衝地帯として普通の隣国同士の付き合いを続ければいいだけだ。

つまり、中国にとって今は何も行動を起こさないことが合理的といえる。

ちなみに、アメリカと共同歩調をとり、北朝鮮に対し強硬な姿勢を貫く日本と韓国は、アメリカが強硬手段に打って出た場合最も危険ということになる。なので、日本には北朝鮮の核ミサイルが飛んでくる可能性が、今のままでは高いと言わざるを得ないのだ。

ただし、北朝鮮がミサイルを発射する前に、北朝鮮のミサイル発射基地を米軍が無力化(破壊もしくは電子攻撃など)することに成功すれば、そうしたリスクは回避できるだろう。

しかしそれは容易なことではない。

少しでも米軍に妙な動きがあれば北朝鮮は迷わずミサイルを発射するだろうし、無力化されては抑止力が意味をなさなくなるので、確実にその対策を練ってくるはずだ。

つまり日本に北朝鮮の核ミサイルが着弾するかどうかは、全てそのせめぎ合いの行方にかかっているといえる。

加えて、日本にとっての危機はそれだけではない。

最大の問題は、その後である。

たとえミサイル発射をめぐるせめぎ合いに米軍が勝利し、核ミサイルの発射と着弾が防げたとしても、助かった日本国民にはさらなる悪夢が待ち受けているのだ。

次回(その5)は、北朝鮮問題をめぐる各国の本当の対立構造と、金正恩政権滅亡後の日本にとっての最悪のシナリオを考えるとともに、再び動き出したある国家の動向を参考にしながら、日本が本来とるべき行動は何なのかについて論じ、このテーマを閉じることにしたい。

スポンサーリンク